サードパーティーロジスティクス（3PL）の意味

3PL（サードパーティロジスティクス）とは

物流に関する仕事や読み物に触れたことのある人であれば、おそらく「3PL」という言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし、「3PL」とは、実際にどういう意味なのでしょうか。

簡単に言うと、3PL（サードパーティロジスティクス）とは、物流とサプライチェーン管理の機能を第三者プロバイダーにアウトソーシングすることを指します。これには、輸送、倉庫保管、オーダーフルフィルメントおよびサプライチェーンにおけるその他の関連サービスが含まれます。

さらに、3PLプロバイダーは、在庫管理、サプライチェーンの最適化、カスタマイズされた物流ソリューションなどの付加価値ソリューションを提供できます。業界知識、テクノロジー、オペレーションに関する専門知識という真に価値があるものを提供することにより、複雑な物流を効率的に処理し、顧客のビジネスにおけるシームレスなエンドツーエンドの調整を実現します。

3PLサービスを活用すると、企業にはコスト削減、業務効率の向上、顧客サービスの強化、そして物流環境が進化し続ける中での戦略的優位性といったメリットがあります。

ここからは、3PLのメリットと、3PLが企業の収益にもたらしうる価値について深く掘り下げてみましょう。

3PLを活用してビジネスのROIと効率性を高めましょう

目まぐるしく変化する今日のビジネス環境において、企業はサプライチェーン管理の最適化と物流業務の合理化を追求しており、その解決策として多くの企業が3PL（サードパーティロジスティクス）プロバイダーに目を向けています。3PLプロバイダーの活用により、次のようなメリットが得られます。

柔軟性、拡張性、テクノロジーへのアクセスの向上

何よりもまず、3PLプロバイダーを活用することにより、自社のインフラに投資することなく変化する物流上のニーズに迅速に対応できるため、大きな柔軟性と拡張性を得ることができます。さらに、3PLプロバイダーが提供する高度なテクノロジーやツールにアクセスできるため、効率が上がり、サプライチェーン管理全体が改善されます。

リソース配分

物流業務を3PLプロバイダーに委託することで、企業は社内のリソースを中核となる事業活動に集中させることができます。このような焦点のシフトにより、全体的な生産性が向上し、戦略的目標が達成できます。

専門知識とインフラストラクチャ

3PLプロバイダーと提携することにより、プロバイダーの専門知識と確立されたインフラを活用することができます。この協働によって、サプライチェーン管理が合理化され、物流オペレーションが強化され、効率性と顧客満足度を向上させることができます。

迅速かつコスト効率の良い規模調整

企業が成長するにつれて、物流のニーズはより複雑になります。3PLプロバイダーを利用すれば、追加の物流インフラストラクチャに投資することなく、成長に合わせて業務を簡単に拡張できます。プロバイダーの既存のインフラストラクチャと専門知識によって、変化する需要に効率的に適応できます。

コスト削減

物流業務を3PLプロバイダーに委託すると、多くの場合、コストが削減されます。3PL事業者の規模と専門知識を活用することにより、運送会社との運賃交渉を有利に進め、輸送ルートを最適化し、在庫保有コストを削減できます。

まとめると、3PLプロバイダーと提携することで、サプライチェーン管理が最適化され、柔軟性と拡張性が広がり、高度なテクノロジーにアクセスでき、コスト削減につながり、ひいては物流業務全体が強化されます。

3PLサービスの仕組み

3PLプロバイダーが提供するサービスの具体的な内容は、企業のニーズによって異なります。たとえば、ある企業が輸送を3PLプロバイダーに委託する場合、3PLプロバイダーは、輸送業者の選定、ルートの最適化、追跡などを含む企業の輸送ネットワークを管理します。

同様に、倉庫管理のニーズを3PLプロバイダーにアウトソーシングし、そのプロバイダーが企業の在庫保管やオーダーフルフィルメントプロセスを管理することもできます。これには、商品の受け取り、保管、出荷、在庫レベルの管理、注文の追跡などが含まれます。

3PLが提供する具体的なサービスは、ニーズに応じてケースバイケースですが、通常、協働には一定の慣例的な手順が伴います。

3PLとの協働における典型的な手順

物流業務を効率的に行うには、企業と3PLプロバイダーとの協働が不可欠です。一般的な協働プロセスは以下のとおりです。

1. 評価と選択：企業は物流ニーズを評価し、専門知識と能力に基づいて適切な3PLプロバイダーを選択します。
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2. 共同提携：企業と3PLプロバイダーが提携し、物流業務を共同で管理します。
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3. 統合とデータ共有：システムとプロセスが統合され、シームレスなコミュニケーションと情報共有が促進されます。
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4. 計画と実行：3PLプロバイダーが物流戦略と業務計画を策定し、実行します。
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5. 日々の業務遂行：3PLプロバイダーが輸送、倉庫管理、オーダーフルフィルメント、および関連サービスを管理します（契約と具体的なニーズに応じます）。
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6. モニタリングと報告：主要な指標を追跡し、改善分野を特定できるよう、パフォーマンスに関する最新情報と報告書が企業に提供されます。
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7. 継続的な改善：協働を継続し、フィードバックを重ねることにより、物流業務の最適化と効率性の向上を図ります。
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8. 中核業務への集中：提携により、企業は3PLプロバイダーの専門知識とリソースを活用しつつ、自社の中核業務に集中できます。

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6種類の3PLサービス

3PLサービスには、企業のサプライチェーン最適化を支援する様々な活動が含まれます。代表的なものは以下のとおりです。

• 輸送と貨物：商品輸送の管理、輸送会社の選択、ルートの最適化。
• 倉庫管理および配送：在庫、保管、オーダーフルフィルメント、配送への対処。
  
• 在庫管理：予測、注文補充、在庫レベルの監視。
• 付加価値サービス：キッティング、組立、ラベリング、逆物流管理、品質管理、梱包。
  
• 税関および法令遵守：通関書類の処理と法令遵守の徹底による国際貿易の円滑化。
  
• テクノロジーとITソリューション：TMS、WMS、OMS、サプライチェーンビジビリティプラットフォームなどの物流テクノロジーシステムを提供。

まとめると、3PLサービスは、サプライチェーンオペレーションの強化を目指す企業に幅広いメリットをもたらします。輸送や貨物管理から倉庫保管や配送などに至るまで、3PLプロバイダーは効率を最適化し、物流プロセスを合理化するための包括的なサービスセットを提供します。

3PLプロバイダーを選択する際に考慮すべき要素

サプライチェーン業務を最適化するには、適切な3PLパートナーを選ばなくてはなりません。ここからは、その際に考慮すべき重要事項をご説明します。

業界に関する専門知識と経験：第一に、業界または必要とするタイプの物流サービスに関して、具体的な知識と経験を持つ3PLプロバイダーを探しましょう。固有の要件を十分に理解し、効果的なソリューションを提供してくれるプロバイダーであるべきです。 

提供するサービスの範囲：ニーズに沿った包括的な物流サービスを提供しているかどうかを評価しましょう。これには、輸送、倉庫保管、在庫管理、オーダーフルフィルメント、その他必要な特定のサービスが含まれます。

効率的な業務遂行のためのテクノロジーとシステム：3PLプロバイダーが使用しているテクノロジーインフラやシステムを評価しましょう。在庫把握、注文管理、リアルタイムの可視化などのタスクに対応できる、堅牢なソフトウェアソリューションやハードウェアソリューションを備えている必要があります。また、貴社のシステムと統合可能かの確認も重要です。  

信頼性と実績：3PLプロバイダーの評判と信頼性を調査します。実績と顧客満足度を評価するために、顧客の声、ケーススタディ、既存顧客からの紹介を探しましょう。信頼できるプロバイダーは、一貫して良い品質でサービスを提供します。

コストと価格体系：自己判断になるかもしれませんが、3PLプロバイダーのコストと価格体系を考慮することも重要です。唯一の決定要因にはならないとしても、価格設定が予算と合致しているか、提供されるサービスに見合った価格かどうかを確認することは大切なことです。後になって価格で不愉快な思いをすることのないように、事前に詳細な価格情報を求め、潜在的な追加コストを明確にしておくとよいでしょう。

3PLプロバイダーとAutoStore

3PLプロバイダーの多くは、増え続ける需要に対応するために、すでに高度な倉庫自動化を導入しているか、導入を計画しています。米国を拠点とする3PLプロバイダーのZeek Logistics社が、オーダーフルフィルメントの大幅な高速化、ダウンタイムの削減、60%の倉庫スペース節約を実現した方法についてご覧ください。

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TTI社は世界中で高い信頼を得ているディストリビューターとして、日付コード、ロットコード、メーカー認証など、特定の顧客要件に基づいて在庫を管理する信頼性の高いソリューションを必要としていました。また、継続的な大量需要とビジネスの成長をサポートするテクノロジーも必要でした。 TTI社がAutoStoreを利用して、どのように保管容量を増やし、フルフィルメントプロセスを合理化し、サービスを損なうことなく成長しているかをご覧ください。

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3PL企業の実際例

実際例を検証すると、3PLプロバイダーの概念を理解しやすくなります。企業がどのように3PLプロバイダーの専門知識や能力を活用し、サプライチェーン業務の最適化を実現しているかが明確になります。

DHL社：世界的な3PLプロバイダー

DHL社は、物流とサプライチェーン管理を手掛けるグローバル企業であり、世界中の企業がDHL社の3PLサービスを利用しています。DHL社は3PLプロバイダーとして、輸送、倉庫保管、在庫管理、配送を含むさまざまな物流サービスを提供しています。

DHL社の物流ソリューションは、先進的なテクノロジーと物流管理の専門知識を活かし、企業による効率的かつ効果的なサプライチェーン管理を支援できるよう設計されています。倉庫、物流センター、輸送ハブのグローバルネットワークにより、さまざまな業種のあらゆる規模の企業に対し、迅速かつ信頼性の高い物流サービスとなっています。

DHL社がAutoStoreを利用するメリット

DHL社は、AutoStoreのキューブストレージソリューションを活用して倉庫業務を最適化し、オーダーフルフィルメントプロセスを改善しています。倉庫ロボットなどの革新的なテクノロジーを活用することにより、反復作業を自動化し、エラーを減らし、物流業務全体の効率を向上させることができています。DHL社のAutoStoreシステムの詳細については、こちらをご覧ください。

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AutoStoreとDHL Supply Chain社との提携を強化

2012年以来、DHL Supply Chain社とAutoStoreは提携し、シンガポール、ポーランド、ドイツ、オーストラリア、米国の拠点に最先端のソリューションを導入してきました。継続的に協働することにより、すでにすべての運用拠点が拡張され、世界中で1,000台を超えるロボットが配備され、運用効率とスループットが大幅に向上しています。最近、両社は、世界規模で倉庫業務をさらに自動化するための動きとして、提携の強化を正式に発表しました。DHLサプライチェーンとAutoStoreの提携の詳細については、こちらをご覧ください。

DHL Supply Chain社のCOO兼CIOであるMarkus Voss氏は、この提携関係の重要性をこのように強調しています。「これまで培ったAutoStoreとの関係をさらに強化できて嬉しく思います。デジタル化と自動化戦略を取り入れた倉庫が増えれば、お客様に、よりスピーディで優れたサービスを提供できるようになります。標準化、モジュール化されたAutoStoreのテクノロジーは、業務効率を高めるという当社の目的と完全に合致しており、さまざまなユースケースやエンドマーケットにおいて、素早い拡張と適応が可能です。標準化された手法と特化した在庫管理を兼ね備えているので、導入時間を大幅に短縮できるでしょう。さらに、AutoStoreの提携企業ネットワークは、複数の地域にまたがって当社の成長戦略をサポートしてくれる大切な存在となっています。」

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結論

競争が激化するビジネス環境において、企業は顧客の要求に応え、常に先手を打つために、効率的で合理化された物流業務を優先する必要があります。3PLサービスは、専門知識、テクノロジー、拡張性、コスト削減を提供する包括的なソリューションとなります。

信頼できる3PLプロバイダーと提携することで、サプライチェーンを最適化し、顧客満足度を高め、全体的な戦略的成長に集中することができます。3PLサービスの力を活用して、物流業務の可能性を最大限に引き出しましょう。

倉庫業務を自動化し、効率性と全体的なROIを向上させる方法について詳しくお知りになりたい場合は、今すぐご連絡ください。
 

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よくある質問

3PLとはどういう意味ですか？

3PLは「Third-Party Logistics」の略で、物流機能を専門の第三者プロバイダーにアウトソーシングすることを指します。

4PLとはどういう意味ですか？

3PLは「Third-Party Logistics」の略で、4PLは「Fourth-Party Logistics」の略です。4PLは、複数の物流プロバイダーを戦略的に監視し調整することで、3PLの概念をさらに進めています。

3PLロジスティクスとはどういう意味ですか？

3PLロジスティクスとは、輸送、倉庫保管、在庫管理などの物流機能を第三者プロバイダーにアウトソーシングすることを指します。3PLプロバイダーは、企業に代わってこれらの活動を管理します。

3PLの例を教えてください。

DHL社は、物流とサプライチェーン管理を手掛けるグローバル企業であり、世界中の企業がDHL社の3PLサービスを利用しています。DHL社は3PLプロバイダーとして、輸送、倉庫保管、在庫管理、配送を含むさまざまな物流サービスを提供しています。