美容・健康商品のフルフィルメントを自動化する

AutoStoreでは多くの美容・健康関連企業と話し合う機会がありますが、これらの企業は大きく2つのタイプに分けることができます。1つ目は、課題やリスクに前向きに立ち向かう企業です。従来の枠にとらわれず将来に向けて戦略を練り、適切なステークホルダーと積極的に関わることで、堅苦しい要件よりも実行可能な提案を優先します。2つ目は、課題やリスクに立ち向かおうとしない、リスク回避の企業です。課題をなかなか克服できず、迅速な対応がとれません。倉庫自動化システムが持つ未知の可能性を活かし、競争優位性を獲得できるのは、前者の企業と言えるでしょう。

火災リスクへの対策

リスク回避の企業にとって最大の課題となるのが保険です。ヘアスプレー、エアゾール缶、アルコールベースの液体などの商品は危険物と見なされ、火災リスクが高くなるものもあります。当然のことながら、これらの商品を取り扱う企業は、保険会社から契約に難色を示されてしまいます。

しかし、Autostoreでは、複数の化粧品販売会社での導入経験から、製品構成全体に占める可燃性商品の割合は意外に少ない、という事実を突き止めたのです。この傾向をもとに、1つのAutoStoreのグリッド内で、防火基準に適合する商品と可燃性商品を分離できるようにしました。それ以降、AutoStoreで火災リスクの問題を克服できることを知った企業は、効果的なシステムのプランニングと設計を行い、保険会社やその他のステークホルダーの承認を得て、各社独自のソリューションを導入しています。

以下に、美容・健康関連企業で効果を上げ、保険会社にも承認された3つのアプローチをご紹介します。

• グリッド内に独立した専用コンパートメントを構築する：このコンパートメントを使用して、防火基準に適合する商品から、適合しない商品を分離します。コンパートメントには、耐爆コンクリートシェル、防火ゲート、特定の防火システムなどの防火対策を組み込みます。
• 低酸素濃度防火システムを使用した密閉環境を作る： AutoStore設備に囲いを構築し、内部の酸素レベルを低下させます。酸素レベルが低く保たれることで、火災を防ぎます。
• グリッドに高膨張泡消火装置を統合する：これらの装置は、火災時に酸素の供給を防止または制限し、火災の拡大や影響を最小限に抑えます。

AutoStoreは美容・健康関連サプライヤーの理想のソリューション

これらの手法はすべて、リスクエンジニアリングに基づいた、商業的に実現可能な手法です。このようなアプローチと組み合わせてAutoStoreを活用することにより、ビジネスの効率性、正確性、持続可能性を向上することができます。美容・健康関連サプライヤー各社にとって、目標を達成し、サプライチェーンの可能性を高める価値あるソリューションと言えます。

火災リスクへの懸念を解消できれば、AutoStoreは美容・健康関連サプライヤーの理想的なソリューションとなります。その理由を以下に挙げます。

• 小さくて軽い商品に最適：美容・健康関連商品は一般的にコンパクトで軽量であるため、AutoStoreのビンとの相性が抜群です。各ビンのスペースを最大限に活用し、パーティションに分けることで、小さな商品を効率的に収納できます。
• 複雑なフルフィルメントの簡略化：美容・健康関連商品の注文には複数の商品が含まれることが多いため、ピッキングや、分配・梱包作業が複雑になりがちです。AutoStoreは、倉庫業務における人の手作業を最小限に抑え、スムーズなピッキング作業で効率を向上させます。
• ピースピッキングのコスト効率向上：「ピースピッキング」はマスターパッケージから取り出した単体の商品を他の商品と同梱する作業で、手作業によるフルフィルメント業務において最もコストのかかるプロセスの1つです。AutoStoreはフルフィルメントプロセスのオートメーションによってこの問題を緩和し、ピースピッキングに関連するコストを削減します。
• 商品サンプルのフルフィルメントの効率化：商品サンプルはSKU（在庫管理単位）を増加させ、手作業中心の環境では従業員の負担になります。AutoStoreは類似サンプルを同じビン内にグループ化することでサンプルのフルフィルメントを合理化し、効率と精度を向上させます。たとえば、ある美容・健康関連企業では、セット販売の商品や季節・ホリデー限定のパッケージを、AutoStoreの倉庫システムで直接作成しています。  
• 店舗用トートの作成：AutoStoreは店舗用にトートを作成できるため、店舗従業員が商品を探す手間をかけずに、陳列棚に簡単に補充できます。これにより従業員の移動時間が短縮され、全体的な効率が向上します。
• スロッティングの最適化：AutoStoreは、美容・健康商品分野で豊富な経験があり、人気商品（回転が速い商品）と注文頻度の低い商品（回転が遅い商品）を区別して認識できます。このデータに基づいてスロッティングを最適化し、回転が遅いために在庫の奥にあるビンを探す時間を短縮できます。それによってシステム全体の速度が向上します。

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業界トレンドの変化への対応

上記のメリットに加え、AutoStoreのシステムは、美容・健康関連企業が新たなトレンドに対応できるようサポートします。

業界の成長

Beauty Independent社が引用している調査結果によれば、美容・健康業界の成長は2023年には鈍化するとしながらも、今後4年間で成長すると予測されています。この予測に従うなら、今こそ将来の成長を見据えた決断を下す時です。AutoStoreは、成長に対応する、拡張性と柔軟性を兼ね揃えたモジュール式システムを提供しているので、業務を中断せずに高い稼働率とパフォーマンスを維持したまま、業務を拡大できます。当社はお客様と協力して、現在のニーズを満たしながら将来に備えるシステムを開発しています。

eコマースの台頭

美容・健康関連商品に関するインターネットレポートに報告されているように、パンデミックによって、従来の実店舗での購買からeコマースへの移行が加速しました。美容分野が他の小売分野に比べてデジタル化が遅れていたのは過去のことで、現在は、オンラインショッピング需要の高まりに応じて、各企業は競争優位性を獲得するために、デジタルテクノロジーに積極的な投資を行っています。AutoStoreは小さくて軽い商品の効率的なピースピッキングを特長とし、D2C（Direct-to-Consumer）フルフィルメントに対応しています。また、eコマースの普及に伴い、注文を効率的かつ正確に履行できるよう、クライアントと協力してオーダーピッキングを最適化しています。パンデミックはeコマースが急成長する一因となりましたが、このような予測不能な事態が再び発生する可能性を考えると、将来的なフルフィルメント戦略に不安を抱く企業もあるかもしれません。しかし、AutoStoreを導入すれば、グリーンフィールド（新規施設）に移転しなくても、既存の倉庫の容量とパフォーマンスを向上させることができます。  

商品の差別化と規模の拡大

McKinsey社が最近発表した美容市場レポートによると、美容・健康業界では成長への期待感から新規参入者が増加しており、既存ブランドが競争で優位に立つためには差別化を図ることが必須となっています。このような市場動向は、さまざまな販売チャネルを活用して新たな商品を幅広く販売する動きを加速させ、既存ブランドも、より多くの消費者にアプローチするためにオムニチャネル戦略をとらざるを得なくなっています。このような状況下でAutoStoreがお伝えしたいのが、「商品の種類と量が増えるほど、自動倉庫システム（AS/RS）への投資を正当化できる」という考え方です。AutoStoreなら、商品ラインナップの拡大に合わせて、保管スペースを最大限に活用し、倉庫の生産性を向上させることができます。そして、各企業での業務の複雑さと拡張コストのバランスを考慮した運用を支援します。

消費者需要の変化

Adobe社は、デジタルトランスフォーメーションによって消費者がより多くの情報を得るようになり、購買行動に体験的な側面を求めるようになっていると指摘しています。これによりサプライチェーンに新たな需要が生じています。この動きを受け、AutoStoreでは美容・健康商品販売企業向けに、従来型の物流センター、オンライン注文用の対面型ダークストア、店舗受け取り（BOPIS）マイクロフルフィルメントセンター、カスタマーエクスペリエンスとブランドロイヤルティを高める店舗内オートメーションなど、さまざまなソリューションを提供しています。AutoStoreの業界をリードするAS/RSシステムにより、ピッキングミスが少なく、効率的なパッケージングを可能にするフルフィルメントプロセスが実現します。  

キーワードは持続可能、自然指向、パーソナライズ

‍いまの消費者が求めているのは、環境に優しく、自然由来で、パーソナライズされた商品です。つまり企業は、サプライチェーン全体を慎重に管理して環境に優しい商品を開発し、顧客に魅力的に映るパーソナライズされた商品を販売する必要があるということです。AutoStoreは入庫時の梱包剤の無駄をなくし、従来のフォークリフト作業と比較してエネルギー消費が少ないので、持続可能性の向上に寄与します。また、コスト削減にも役立ちます。

健康・美容商品販売企業向けのオートメーションのすすめ

導入計画を立てる

オートメーションは、競争優位性を維持するために「あればいいもの」から「なくてはならないもの」へと変化しており、今すぐ導入を検討しなければ他社に遅れをとるリスクがあります。ただし、導入スピードと戦略のバランスを考慮し、導入の迅速さ、スムーズな拡張性、長期的な成功を見据えてテクノロジーを選択することが重要です。以下に、導入を成功させるためのヒントをご紹介します。

• 中心となるワーキンググループを設置し、業務、IT、セキュリティ、安全などの部門からリーダーを募り、組織全体から参加者を確保します。
• 投資規模に応じた複数の技術を検証してトレードオフを把握し、自社の業務に最適なものを見つけます。
• データに基づいた分析に取り組むことで、プロジェクトの概念設計フェーズを推進します。
• 他社施設を視察したり、競合関係にない同業者からのフィードバックを求めることで、テクノロジーが実務に与える影響をより深く理解します。

イノベーションを受け入れる

たとえ現在のプロセスがうまく機能していても、変化を恐れてはいけません。今日の成功が明日の成功を保証するわけではないからです。常にチームに課題を提示し、「もしも」の事態を想定することで、将来のビジネス成長に対応できる運用体制を整えましょう。

透明性の高いテクノロジーを選ぶ

AutoStoreは、近未来感があふれる、ロボティクスとデジタルを駆使したシステムですが、隠された機能や未公開の機能はありません。最小限の可動部品、わかりやすい機能、正確な反復動作により、導入の価値が実証されているシステムです。このような高い信頼性と透明性を持つテクノロジーを選択することが、スムーズな導入と長期的な成功につながります。

美容・健康関連業界では、売上が伸び、新たな企業が台頭してきている一方、既存企業は顧客ニーズの多様化に対応するプレッシャーにさらされています。競争力を維持するためには、オンラインと実店舗の両方で、スピードと精度の高いサービスを提供することを第一に考えなければなりません。オートメーション技術への投資は、企業全体としての成長戦略の中で非常に重要になります。

革新的なソリューションの導入を積極的に計画・実行する前向きな企業は、市場で差別化を図ることができます。適切なチームを編成し、商品ラインアップを徹底的に分析し、現在と将来のニーズに対応するクリエイティブなソリューションを導入することで、防火基準に関する課題も克服できます。これらのステップを踏むことで、他社との違いを明確にして競争に勝ち残り、成長を続ける美容・健康業界で成功を収められます。

まとめ

AutoStoreでは、美容・健康商品サプライヤー向けに、火災リスクを防止し、保険会社の要件を満たすための修正・追加策をシステムに導入しました。こうした対策によりお客様の抱える課題を克服することで、AutoStoreは、成長戦略、eコマースのフルフィルメント需要への対応、商品の差別化、持続可能性のような最近のトレンドなど、さまざな面でお客様をサポートする理想的なソリューションとなります。