エンジニアリングの安全性：AutoStoreシステムを活用して火災から在庫を守る

AutoStoreは、リスク回避が最優先事項であると考え、防火安全対策を重要視しています。安全を考慮した設計、綿密な試験、継続的な教育を通じて、AutoStoreのシステムに最適な防火オプションをご提供しています。

製品の安全性を確保する方法

AutoStoreのシステムには、防火安全機能が組み込まれています。

• ビンは互いに直接積み重ねられ、強固な壁で覆われています。火災はグリッドの外側から発生する可能性が高いですが、AutoStoreの設計により、システム内の空気の量が制限されるため、火災の拡大速度が遅くなります。一方で火災は垂直方向に延焼するので、より早い段階で火災を抑制するための天井のスプリンクラーを作動させることができます。
• AutoStoreロボットは金属と防火素材で構成されています。また、火災を検知した場合は、直ちに作業を中断して指定された場所に移動し、鎮火されて作業が再開可能になるまで待機するようにプログラムされています。
• AutoStoreの火災テストでは、天井のスプリンクラーが効果的な消火の対策であることが証明されています。また、グリッドの排気筒が非常に有効で、システムの最下層まで水を通し、上方向に迅速に熱を放出します。この対策により、火災時にビンの倒壊を防ぐことができます。

第三者機関による試験方法

AutoStoreは、独立した第三者機関による試験と認証を通じて、システムの安全性を保証しています。倉庫内で発生する火災の主な原因は電気面での問題です。そのため、AutoStoreは、国際電気標準会議（IEC）の「IEC電気機器安全規格適合性試験制度（IECEE）」のガイドラインを遵守しています。

効率性、製品の安全、ROI、信頼性、柔軟性

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これまでに実施した火災安全試験

2009年以降、100を超える小規模、中規模、大規模火災テストを実施し、火災発生時にシステムを保護するための最良の対策を確立しました。泡、低酸素空気、制御モード、ESFR（早期制圧速動型）スプリンクラーなどの消火オプションをテストし、有効性を実証してきました。

消防士と連携し、防護方法を開発

スプリンクラーは不可欠ですが、実際に炎を消すのは消防士です。AutoStoreシステムは高密度で、通路がないため、緊急時に消防士が火元まで移動できません。そこで、システム内の消火方法について、関係機関と直接連携しています。

2020年10月、AutoStoreは、UL（Underwriters Laboratories Inc.）と協力し、はしご車に備わった一般的な機器を使用して、グリッドの解体とビンの取り外しを安全かつ効率的に行う方法を開発しました。プロジェクトの初期段階では、専門家と議論を重ね、AutoStoreシステムの概要説明、解体方法の検討などを行いました。

これまでの火災試験で、解体時にグリッドと上部トラックが安定していることが確認されました。これは安全上、非常に重要です。AutoStoreはULと共同で、外側のMDF（中密度繊維板）パネルを通じて内側にアクセスする方法を開発しました。

数回の試行錯誤の末に選ばれたのはMDFによる方法で、これにより解体時の落下物による危険性を低減でき、消防隊員が安全に火元を特定して消火活動をすることができるようになりました。検証のために、全米から19名の消防士を招き、実際に火災試験に参加してもらいました。

過去に実施した火災試験で、天井取り付け型スプリンクラーが火災を鎮圧することは実証済みでしたが、私たちは、より完全な消火方法を徹底的に追求したいと考えました。2022年初頭、最大9.1メートルの高さに天井取り付け型スプリンクラーを設置し、その配置に応じた3つの異なる発火位置で火災試験を実施し、完全に鎮火できることを確認しました。一連の試験は、床上で火災が発生し、部分的に充填された3つのセルが火元に隣接しているという条件下で実施されました。

試験では、3台の模擬ロボットが部分的に充填された3つのセルの消火に対応しました。火元は、4つのスプリンクラーの間、2つのスプリンクラーの間、1つのスプリンクラーの下に設定しました。結果的に、3つの条件すべてで完全に消火され、人の介入は不要でした。また、システムの損害も最小限に抑えることができました。

結論

グローバルなサプライチェーンの危機は続く一方で、eコマースの需要は高いままです。倉庫の迅速性、柔軟性、高生産性を保つために革新しなければなりませんが、スピードのために安全性を犠牲にしてはいけません。

自動倉庫システムの導入を検討している場合は、事前に必ず火災安全計画を整えましょう。あらゆる火災条件で設備をテストし、従業員と現地の消防隊員が最適な消火方法を熟知しておく必要があります。