AutoStore、Outdoor Network社のフルフィルメント率を150%向上

出典：KPI Solutions社

Outdoor Network社は、米国のアウトドアレクリエーション業界における大手販売代理店・小売業者です。マリンスポーツ、パワースポーツ、小型エンジンを専門に扱う同社は、急速に成長して市場の一角を占める企業となり、Partzilla.com、Boats.net、Firedog.comなど複数の優良eコマースブランドを運営しています。米国全土に配送センターと販売店のネットワークを持ち、eコマース、小売、流通事業を展開しています。

Outdoor Network社には、世界中で700万件を超える注文を処理してきた実績があります。しかし、時代遅れのシステムと需要の増加に起因する、運用上の課題に直面していました。同社は、この問題をフルフィルメント業務の自動化で解決すべく、AutoStoreとそのパートナー企業のKPI Solutions社によるシステムに着目しました。

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課題：ボトルネックの解消と急増する需要への対応

ジョージア州にあるOutdoor Network社の東海岸配送センターは、増加する注文量への対応に苦労していました。Outdoor Network社の最高執行責任者であるJason Rindge氏は、「当時の私たちの環境では、これ以上の成長は望めず、収益も頭打ちになりつつありました。」と説明しています。

同社の成長と業務効率を脅かす問題には、次のようなものがありました。

• 在庫保管場所の分散：Outdoor Network社の在庫は2つの施設に分けて保管されていました。1つはGoods-to-Person（GtP）水平カルーセルを使用する小型部品用、もう1つは大型商品用です。そのため、複数ラインの注文を統合することが難しく、時間もかかっていました。  
• 時代遅れの技術：既存の水平カルーセルは製品寿命が近づいており、ピーク需要時に必要な処理能力を維持できていませんでした。倉庫管理システム（WMS）も時代遅れとなり、業務をさらに複雑なものにしていました。
• 人手不足：需要の大幅な増加と2交代制勤務の人員配置の問題が重なり、フルフィルメント業務にさらなる負担がかかっていました。
• サプライチェーンの混乱：Outdoor Network社も世界規模のサプライチェーン問題から逃れられませんでした。多くの部品が長期間にわたって入手できない事態が頻発し、在庫管理をさらに複雑にしていました。

同社は効率性を高め、従業員への依存度を減らし、注文処理を合理化できるソリューションを必要としていました。

ソリューション：AutoStore - 包括的な自動化の原動力

上述の課題に対処するため、Outdoor Network社はAutoStoreシステムを中核に据えた、完全に統合された自動化エコシステムを構築しました。主なシステム構成は次のとおりです。

• 1,300m²に及ぶ高密度ストレージグリッド
• 80,000を超えるSKU（ストックキーピングユニット）を効率的に管理する、11段に積み重ねられた28,700個のビン
• 在庫の取り出しと補充を担う75台のロボット
• 効率的なオーダーフルフィルメントのための14のGtP（Goods-to-Person）ピッキングポート
• シームレスで効率的な管理のための10台の補充ポート

AutoStoreソリューションは、他の自動化テクノロジーと統合することで、総合的なフルフィルメントエコシステムを実現します。

• 自律移動ロボット（AMR）は、固定棚とパレットラックの間で大型商品を輸送します。
• 自動包装システムは、複数注文の商品に適したサイズのトレイを作成します。
• 卓上型オートバッガーは、単品注文の商品を効率的に梱包します。
• コンベヤーシステムは、補充とピッキングの両工程を効率化し、SKU、ピッキングトレイ、完了した注文品を施設内で移動します。

この統合システムはより高速かつ効率的で、人の作業と歩く距離を大幅に減らします。ロボットがピッキングポートの作業員に直接商品を届け、グリッド内も管理し、補充は専用ポートで処理されます。

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主なメリット：フルフィルメントのパフォーマンスと拡張性が劇的に向上

Outdoor Network社は現在、急増する需要に対応し、将来の成長にも適応できる、極めて効率的で拡張可能なフルフィルメント業務を行っています。主な改善点は次のとおりです。

• 処理能力が150%増加：これまでのピーク時を上回る1日あたり最大22,500件のピッキングが可能になりました。
• 高密度ストレージ：AutoStoreの超高密度キューブ型ストレージシステムにより、 Outdoor Network社は80,000を超えるSKUをコンパクトに保管できます。
• より高速で合理化されたオペレーション：14台のピッキングポートと10台の補充ポートによりボトルネックが解消し、処理時間が短縮されました。在庫品の注文は15分以内に処理、梱包、出荷されます。
• 必要な人員を50%削減：業務を1シフトに統合し、主要プロセスを自動化することで、Outdoor Network社は業務に従事する人員数を50%削減し、従業員がより価値の高いタスクに集中できるようにしました。
• 安全在庫の大幅な増加：超高密度ストレージにより、サプライチェーンの混乱に対する備えも万全になりました。
• ほぼ完璧な精度：AutoStoreシステムにより注文の精度と信頼性が大幅に向上し、ほぼ完璧な注文処理が実現しました。

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アウトドア用品小売業界における、新たな効率化の時代

AutoStoreは、スループットを大幅に向上させ、ストレージを最適化し、従業員への依存度を減らすことで運用上の課題を解決し、Outdoor Network社を持続可能な成長へと導きました。これは、最先端の自動化によって配送時間の短縮、精度の向上、顧客満足度の向上といった変革が実現できることを示しています。

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プロジェクト仕様

• 設置タイプ：ブラウンフィールド（既存地）
• ロボット：75台
• ワークステーション（ポート）：ピッキング用ポート14台、在庫補充用ポート10台
• ビン数：28,700個
• グリッドサイズ：1,300m²
• SKU：110,000個（80,000個はAutoStoreが保管）
• パートナー：KPI Solutions社
• 統合技術：コンベヤーテクノロジー、Geek+ AMR、Sealed Air I-Packシステム