Parts Authority社、オートメーション導入によって処理量を4倍に増強

Kohlberg & Company社が所有するParts Authority社は、1973年に創立された、自動車関連の機器や工具、部品を扱う大手の販売業者です。同社は、数十か所の配送センター（DC）を活用して米国全土に販路を持ち、全米250を超える店舗で、電気部品やエンジン部品、自動車のハードウェアからHVACコンポーネントまで、300万点を超える部品を供給しています。そうした中、同社の経営陣は北東部に事業拡大の機会があると考え、eコマースと店舗販売の需要を満たすソリューションの検討を始めました。

Parts Authority社は、事業拡大の5か年計画の一環として、コネチカット州ウィンザーに新たな物流センターを建設し、そこから顧客に商品を配送することを計画しました。

AutoStoreシステム導入の経緯

Parts Authority社の新しい物流センターは、21,000m²の広さをもつ大きな倉庫でした。同社は、倉庫の全体の75%はeコマースのオーダーに対応するエリアとし、残りの25%を従来の配送と店舗でのオーダーを扱うエリアとした、倉庫自動化システムを構想していました。

しかし、既存の物流センターの業務実績を検討した結果、従来の手作業による物流モデルでは、5か年計画で描いた目標達成には間に合わず、非効率であることが分かりました。さらに同社の経営陣は、従来型の倉庫管理スタイルでは、労働環境を考慮すると充分な数のスタッフを確保できないかもしれないという懸念を抱きました。

そうした背景から、Parts Authority社は、コストを最小限に抑え、労働力を最適に活用し、高いレベルの運用柔軟性と顧客ニーズへの対応力を実現するために、新しい物流センターに自動倉庫システムを導入することを選択しました。

新しい物流センターでは、従業員の移動時間と処理時間を最小限に抑えながら、在庫品を十分に収容できるスペースを確保する必要がありました。そこで最適なソリューションとして選ばれたのがAutoStoreのシステムでした。

AutoStoreシステムのメリット

AutoStoreのシステムにより、Parts Authority社では労働力とリソースが最も効率良く活用できるようになり、北東部への拡大時のコストが適切に管理され、必要に応じて将来の拡張も幅広く行えるようになりました。さらに、AutoStoreシステムの優れた保管密度（従来型倉庫の4倍）を活用できるため、ピッキングと保管の作業が従来の10倍の速さで行えるようになりました。

AutoStoreのシステムはわずか17種類の標準部品のみで何通りにもカスタマイズできるため、あらゆる倉庫スペースやレイアウトに対応できる上、事業拡大時や繁忙期の業務急増に対応できる拡張性も備えています。また、小口注文の保管や処理を効率化する設備が整ったことで、1日あたり1万件以上の注文に対応できるようになり、Parts Authority社の北東部での躍進を支えました。

システムの仕組み

採用されたシステムには、グリッドに16個ずつ積み重ねられた80,000個以上のビンを収容できる容量があります。アルミニウム製のフレームワークにより、90台のバッテリー駆動ロボットが迅速に商品を取り出し、6つのピッキングポートのいずれかに配送します。そこでは、プットトゥライトシステムがアイテムのピッキングと、12個の再利用可能なトートのいずれかへの配置を指示します。物流センターは2,100m²超の面積で、150,000個以上のSKUを収容できます。

Parts Authority社では、AutoStoreシステムとGeek+社のAMR（自律走行搬送ロボット）、KPI Solutions社のインテリジェント倉庫実行ソフトウェアを組み合わせて使用しています。車軸やトランスミッション部品などの大きな商品を扱う際は、倉庫スタッフが手作業で行えるように、2つの独立したパレットラック保管エリアが設置されています。

2022年5月に稼働を開始して以来、5回の拡張が行われました。システムの機能はますます向上し、米国内で最も重要な市場における競争力を維持しています。

システムの概要

ソフトウェア：Opto Warehouse Execution Software（WES） Suite（KPI Solutions 社）
AutoStore：ロボット90台、ピッキングポート6台（Goods-to-Person）、ビン80,000個
コンベヤーシステム： Hytrol社