Unify Analyticsは、AutoStoreのコアバリュー「Lean、Bold、Transparent」を具体化した開発の一例です。この大胆で(Bold)革新的なソフトウェアは、システムデータをより見やすく分かりやすくすること(Transparent)で、時間の無駄を減らし、エラーを排除し、パフォーマンスを最適化します。また、このソフトウェアは、AutoStoreのMonitor & Maintenanceチームのエンジニアによる開発過程では、日々の物流における課題を克服するべく、ユーザー重視の無駄のないプロセスが用いられました(Lean)。
AutoStoreのProduct Manager、Andreas Munchは、Unify Analyticsを次のように説明しています。「Unify Analyticsは、AutoStoreシステムに関する情報に簡単にアクセスできる、クラウドベースのサービス・データプラットフォームです。データ視覚化ウェブアプリケーションとしても、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)としても利用できます。APIとしては、パートナーや顧客が独自のソリューションを構築するために使用されることが多く、ウェブアプリケーションの場合は、APIを使用して表示するデータを取得します。」
AutoStoreシステムの世界での平均稼働率は99.7%です。この数字はすでに驚異的で、これを超えるのは相当難しいと思われます。しかし、Munchは、Unify Analyticsなら超えられると言います。
なぜなら、AutoStoreシステムで何が起こっているかを常にライブビューで確認でき、障害の予兆を示しているモジュールを予防的にメンテナンスすることができるからです。これによりダウンタイムが短縮されるので、システムの速度と効率がさらに向上します。
このUnify Analyticsの可能性を、Munchは次のように説明しています。「今後、Unify Analyticsは、AutoStoreシステムの状態基準保全(CBM)を可能にする重要なソフトウェアとなるでしょう。プラットフォームからデータを活用してAutoStoreシステム内の各コンポーネントを幅広く検査・監視できます。
Unify Analyticsを使用すれば、モニタリングや、パフォーマンスのボトルネック発見に費やす時間をさらに短縮できます。また、Unify Analyticsのライブデータを活用することで、スループットとリソース配分を最適化できます。」
ライブデータを活用するこのアイデアは、Asle Olsen Gaasønが率いるAutoStore Monitor & Maintenanceチームが、ASLogファイルを使用してシステムのトラブルシューティングを行っているときに思いつきました。ASLogファイルは、AutoStore Cube Control Systemソフトウェアがロボットやポートに対して行ったコマンドを記録した独自のデータファイルです。コントローラーから各モジュールへのすべての動作が記録され、分析に利用できます。
Munchは次のように語っています。「ログファイルをリアルタイムに収集することでAutoStoreシステムの分析と診断が可能になります。さらに、現在デフォルトで提供されているソフトウェア機能に、診断や推奨アクションの提示など新たなサービスを追加することができます。」
このチームのメンバーは、AutoStoreシステムを所有、運用、管理しているすべての人にとってASLogファイルが「データの宝庫」であることに気づきました。そして、プラットフォームを構築して、それを新たなサービスとしてリリースし、世界中のAutoStoreユーザーやコンサルタントが活用できるようにすることを決めました。
Munchは続けます。「開発を始めた当初の理由は社内のニーズに応えるためでした。これまでに運用されているすべてのAutoStoreシステムのデータを分析したところ、AutoStoreのモジュールで最も発生頻度の高い不具合を特定することができたのです。この不具合に焦点を絞ることによって、モジュールの品質と稼働率を飛躍的に向上させることができました。
そしてすぐに、このデータが、当社のパートナーのサービス品質とカスタマーサポートを向上するのにも、大いに役立つと気づいたのです。」
Unify Analyticsの開発チームは、パートナーやエンドユーザーと緊密に協力し合いながら開発を進めました。ユーザーからのフィードバックは、ベストな製品を作り上げる上で非常に頼りになりました。
Munchは振り返ります。「Unify AnalyticsをAutoStore以外にも活用できる可能性があると考えた私たちは、市場調査を始めました。そのプロセスとして、製品の市場適合度を確認するべく、パートナーやエンドユーザーに聞き取り調査を実施しました。
この調査では非常に貴重な意見をいただくことができたので、Unify Analyticsが発売されたら、ユーザーのみなさまに必ず役立つと確信していました。」
AutoStoreの従業員と外部関係者にUnify Analyticsのメリットを聞いたところ、AutoStoreシステムの価値とパフォーマンスを最大限に高めるのに役立つポイントを多数挙げてくれました。その一部をご紹介します。
Munchは開発について、次のように振り返っています。「AutoStoreは推測に基づいてソフトウェアを開発することはありません。常に検証を行い将来のユーザーを考慮します。多くのインサイトを見つけ、それに基づいて構築したユーザーストーリーを機能へと反映させました。」
開発チームは関係者の意見をもとにソフトウェアのパイロット版を作成し、一部のユーザーを招待してベータテストを実施しました。
Munchはその理由を次のように語っています。「まだ完成には程遠い状態でしたが、実際にご利用いただいて、より具体的なフィードバックを得たかったのです。」
Andreas Munchは、有名なノルウェーの画家、ムンクの子孫で、ムンクは彼の祖父の大叔父にあたります。彼自身は芸術家ではありませんが、世界的に有名な祖先から受け継いだクリエイティブなところがあり、イノベーションに役立っているのかもしれません。
「クリエイティブであることは好きですが、芸術ではなく、課題に対してクリエイティブな解決策を見つけることが好きなのです。」とMunchは言っています。
しかし、プラットフォーム開発において真の原動力となったのは、最初から最後までAutoStoreのコアバリューであるLean(無駄がない)、Bold(大胆)、Transparent(透明性)を追求することでした。
Munchは次のように締めくくっています。「Unify Analyticsプラットフォームの開発には、お客様のニーズや期待にいち早く適応する無駄のない方法がとられました(Lean)。完全にクラウドベースであるため、新機能や改良を非常に効率的な方法で展開できます。さらに、Unify Analyticsで得られたインサイトをパートナーやエンドユーザーと共有することで、私たちのモジュールの仕組みに大きな透明性を持たせています(Transparent)。
そして、これらの取り組みのすべてが、非常に大胆であったと私たちは考えています(Bold)。」
「AutoStoreは推測に基づいてソフトウェアを開発することはありません。常に検証を行い将来のユーザーを考慮します。多くのインサイトを見つけ、それに基づいて構築したユーザーストーリーを機能へと反映させました。」